伝えたいコト

伝えたいコト 語り継ぎたい、まかない飯

text:Yuka Yamaguchi
photo:Yuji Hachiya

VOL.4 青森/八戸のせんべい汁

青森/八戸のせんべい汁

青森県八戸市の「せんべい汁」は、根菜や葉物、鶏肉や魚を入れた旨味の濃い汁に、パリッと固い南部せんべいを浸して食べる一風変わった郷土料理。入れたてのせんべいはアルデンテのように芯が残り、煮込むうちに出汁が染みてとろっと食感が変化していく。食べる人によって固さの好みも様々だ。

せんべい汁は昔も今も普通の日に食べる料理で、入る具材や味付けも各家庭によって少しずつ異なるそう。今回お話を伺った小笠原さん曰く「せんべいを入れたらせんべい汁」と、かなり自由度が高く懐の深い料理である。冷蔵庫の食材とせんべいさえあれば作れる気軽さ。鍋一つで栄養が摂れて、満足度も高い。食べ継がれる郷土料理は愛される理由がたくさんあるのだ。

材料(3人前)

  • ゴボウ……1/4本
  • にんじん……1/4本
  • 白菜……3枚
  • 水菜……1束
  • 長ネギ……1本
  • しめじ……1/4パック(約50g)
  • 鶏もも肉……30g
  • 旬の白身魚(この日はキンキンを使用)……4切
  • 鍋用南部せんべい……6枚
  • 出汁(カツオ節と昆布)……600ml
  • 調味料(塩、薄口醤油、酒)……適量

作り方

  • 1.

    ゴボウとにんじんをささがきにしてから、水にさらしてアク抜きする。

  • 2.

    白菜と水菜をざく切りにする。長ネギを斜め切りにする。しめじをほぐす。

  • 3.

    鶏もも肉を食べやすい大きさに切って、軽く湯通しし、冷水でしめる。

  • 4.

    白身魚はぶつ切りにして軽く湯通しし、冷水でしめる。

  • 5.

    すべての食材と出汁を鍋に入れ、火にかける。

  • 6.

    煮立ったらアク抜きし、塩、薄口醤油、酒で味を調える。最後にせんべいを割り入れる。

山口祐加/自炊する人を増やすために活動する料理家&食のライター/料理初心者に向けた対面レッスン「自炊レッスン」や、セミナー、執筆業、動画配信など幅広く活動中。