運転するコト

運転するコト 私の相棒

Photo:Hiromi Furusato
text:Chihiro Kurimoto

運転するコト 私の相棒

運転免許を持っていなかったので、石巻へ移住してからの7年は〝助手席力〟を上げつつ、屈強な脚力を信じて歩いていました。自分のタイミングで趣味のサーフィンへ行きたいと思うようになり、免許証を取得して車を買うことに。最初は防水仕様の車を望んでいたのですが、友達が青のミラジーノに乗っていたのを思い出して、機能面以上に愛着が持てる車を買おうと決めました。ディーラーさんに探してもらったミラジーノを、自分への誕生日プレゼントとして購入。ウッド調の内装や、イタリア製「MOMO」のハンドル、茶色の合皮のシートなどがかわいくて、ときめいちゃって。シートにかぶせる防水カバーを使って、工夫しながら乗っています。「小さい車でそんなに遠出するのか」と周りから言われるくらい遠出するし、早朝からサーフボードをつっこんで走らせています。

アウトドアに強い車ももちろんあるけれど、工夫して海水がかからないようにしたらいいし、砂がかかったら掃除すればいい。自分が好きだと思える車に乗って、どれだけ手をかけるか。以前は自分の車を買うイメージが湧かなかったけれど、今では自分の世界が広がって、〝ただの乗り物〟以上の相棒になりました。

運転するコト 私の相棒

安達日向子/東日本大地震のボランティアとして石巻を訪れ、のちに石巻へ移住。2018年、海の課題をクリエイティブに解決する「さかなデザイン」を設立。クリエイティブディレクターとして活躍している。