地域で暮らすコト

地域で暮らすコト 移住の教科書

Vol.3 沖縄 宮崎雄志さん (TIMELESS CHOCOLATEマネージャー)
  • photo:Jamie Inoue
  • text:Tamaki Mizusawa

自分にできることは? 移住を楽しみながら、選択肢を増やす宮崎雄志さん。みっつの土地を経て、沖縄へたどり着きました。

「やりたいこと」を探しになんとなく大学へ進むより、「やれること」を増やしたくて、栃木から上京しました。寿司屋で修行した後、ワーキングホリデーの制度を使ってメルボルンへ。そこで、林くん(タイムレスチョコレート代表)に出会いました。コーヒーにはまって、世界を周っていた彼が、熱っぽくコーヒーや砂糖について語ってくれたんです。

沖縄で再会した林くんは、ちょうど今のお店を立ち上げようとしていて。「来ちゃえば?」の言葉にのせられて、もう6年です(笑)。北谷はチャンプルー(=ごちゃまぜ)な街。移住者も地元の人もアメリカ人も一緒くたに暮らしています。転々としてきた僕のことも、快く受け入れてくれました。

高校生の頃から変わらず、ずっと僕は「自分にできること」を探しているんです。いつかは故郷でも……と思うことはありますが、まだまだ沖縄で学ぶべきことがあります。

TIMELESS CHOCOLATE/宮崎さんがマネージャーを務める、沖縄初のBean to Barチョコレート専門店。原材料はカカオ豆とサトウキビのみ。昨年からはサトウキビ農園を立ち上げ、自家栽培にも挑戦。

  • 沖縄県中頭郡北谷町美浜9-46
    ディストーションシーサイドビル2F

  • 098-923-2880
  • 11:00〜19:00

  • 無休

Vol.4 佐賀 林康紀さん (百と十_vesper 店主)
  • photo:Taichi Akasaka
  • text:Chihiro Kurimoto

〝引っ越し〟感覚で呼子へ移住して15年。町家を改装した宿カフェは、〝訪れる人〟と〝暮らす人〟の交差点になりました。

妻の母方の実家が隣町にあった縁で、呼子に移住しました。移住と言っても、当時は〝引っ越し〟くらいの感覚で、こんなに長く住むとは思っていませんでしたが(笑)。2005年に呼子でカフェダイニング「vesper」を開業し、18年には朝市通りでコーヒースタンド「moc coffee」をオープン。そして、20年には明治時代に建てられた町家を改装し、宿カフェ「百と十_vesper」をスタートさせました。

呼子は、メイン通りを15分くらいで歩けてしまうコンパクトな港町。全国的にはツーリスト向けに整備されている観光地が多いけれど、呼子では、地元の人と、訪れた人が自然と行き交っているんです。海に面した海岸通りと、内陸側に並走している中町通りをちょうど繋ぐようにして建つ「百と十_vesper」は、暮らす人と訪れる人がクロスする拠点になっていきたいです。

百と十_vesper/町家を改装した、宿とカフェダイニング。写真のメニューは「本日のパスタ」+デリセット。1,650円。

  • 佐賀県唐津市呼子町呼子1960-2

  • 0955-82-3287
  • 11:00〜21:00(18時以降は要予約)、土日祝は7:00〜10:00の営業もあり

  • 火曜・水曜