
三重県鈴鹿市広瀬町の「とりめし」は、鶏肉と野菜、そして鶏ガラも一緒に炊き合わせた旨味たっぷりの味付けごはん。昔から冠婚葬祭やお祭りなど人が集まるときには地域のお母さんたちが大きな釜でとりめしを炊き、振る舞ってきた。
材料はいたってシンプル。鶏肉、鶏ガラ、人参と青ネギを醤油と酒と砂糖で甘辛く炊き、かために炊いた白飯に混ぜ合わせる。
老若男女誰にでも愛される味な上に、ご飯物でボリュームもあるため、品数をたくさん作らなくてもこれ一つで満足できる理にかなった料理。とりめしはおにぎりにして配り、冷めてもお茶漬けにして食べると絶品だそう。みんなが食べてほろっと笑顔になる、地域の宝物のような食べ物だ。



山口祐加/自炊する人を増やすために活動する料理家&食のライター/料理初心者に向けた対面レッスン「自炊レッスン」や、セミナー、執筆業、動画配信など幅広く活動中。