市内8施設の送迎共同化を支える「らくぴた送迎」の利便性
やす地域共生社会推進協会(滋賀県)
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導入事例
一般社団法人やす地域共生社会推進協会(滋賀県)
2025/10/01
やす地域共生社会推進協会
代表理事
川口 ひとみ 様
やす地域共生社会推進協会
運営スタッフ
野田 千代子 様
琵琶湖の南岸に位置する野洲市。大阪・京都のベッドタウンとして栄えたこの町も、近年は高齢化率が25%を超え、約4人に1人が高齢者となっています。介護人材不足も深刻化する中、「親孝行の気持ち」から地域の課題解決に取り組んでいるのが、川口様率いるやす地域共生社会推進協会様。さまざまな課題が山積する中、とくに解決が急がれていたのが、高齢者の移動手段の確保でした。
「従来の介護施設ごとの個別送迎では、ドライバー確保が施設の負担になっていたことに加え、朝夕の同じ時間帯・同じルートに、複数の送迎車が集中するという非効率な場面が多くありました。また地域の高齢者の間では、免許返納で移動の手段を失う人も増えています。移動にお困りの高齢者が”引きこもり”にならないよう、地域の力で外出支援ができるような仕組みが必要だと思いました。そこで地域の課題解決を検討されていた野洲市高齢福祉課と一緒に、移動支援の取り組みを始めることになったんです」(川口様)
市内の通所介護施設8か所をつなぐ共同送迎サービス「ゴイッショやす」が誕生したのは2024年10月。運営者となったやす地域共生社会推進協会様では、送迎車両の管理と、ドライバーの確保およびマネジメントを担っています。そしてこのサービスを円滑に回すために欠かせないのが福祉介護・運行管理システム「らくぴた送迎」。
「らくぴた送迎を初めて知った時、仕組みの素晴らしさに感動しました。送迎計画の作成も、ドライバーさんとの情報共有も簡単。何より、これまでさまざまな負担を抱えていた介護職員の皆様の意識が、送迎共同化という“つながりの力”によって、ポジティブに変わったことは大きいですね」(川口様)
そして共同送迎サービス立ち上げは、地域貢献活動に参加したいと思っていた地域住民の方々に活躍の場を提供することにもつながりました。
「現役世代の方々からリタイアされた方まで、さまざまな方がドライバーとして関わってくださっています。中にはわざわざ1時間かけて来てくださる方もいらっしゃるんですよ。介護業界が初めての方でも、送迎業務を通じて自然と関心を持っていただけるようになり、新たな担い手づくりにもつながっていると感じます」(川口様)
毎月下旬に各施設から寄せられる翌月の予定表をもとに、スタッフの野田様が中心となってPCの「らくぴた送迎」画面上で送迎計画を作成。ドライバーごとの経験値も考慮しながら、担当を割り当てています。
「送迎対応中に、施設から利用者様のお休みのご連絡をいただいた場合は、システム上で欠席処理をするだけで、ドライバーのスマホアプリにも変更通知が届きます。またドライバーがお迎えに伺った先で利用者様より欠席を直接伝えられた場合も、アプリ側からシステム操作をすることで、運行管理画面に変更通知が届くため、ドライバーとの情報連携をスムーズに行うことができます」(野田様)
また、「らくぴた送迎」のシステム内に登録されている利用者様の身体状況やご自宅周辺の写真、停車位置などの詳細情報が、スマホで確認できることも、ドライバーの安心感につながっています。
「心の準備ができ、落ち着いて運転に集中できると喜ばれています。それだけでなく、送迎中の車中での会話から、ドライバーさんが利用者様の身体変化をいち早くキャッチして私たちに共有してくださることもあり、システム側の情報更新に活かしています。そうやって経験の浅いドライバーさんでもコミュニケーションを取りやすい環境を整えていることが、利用者様やご家族の安心感にもつながっていると感じます。“毎回違うドライバーさんと話すのが楽しみ”というお声があるのもらくぴた送迎のおかげかなと思います」(野田様)
共同送迎サービス「ゴイッショやす」を立ち上げてから1年弱。やす地域共生社会推進協会様と8施設が力を合わせて、初めて尽くしのチャレンジを形にしてきました。
「初期の頃は、次月の送迎計画作成のたびにダイハツさんに足を運んでもらって、手取り足取り教えていただいて本当に助かりました。その後もわからないことは電話やリモートで丁寧にフォローしていただいています」(野田様)
そして「ゴイッショやす」では、共同送迎の空き時間に高齢者の買い物付添支援もスタートしました。共同送迎で使用している車両と「らくぴた送迎」を活用し、自宅とショッピングモール間の送迎と買い物中の付添支援を行っています。免許返納等で移動手段にお困りの高齢者から非常に喜ばれているそうです。
「頼めば届く宅配は確かに便利なんですが、高齢者の方も時には自分で店先まで行って、自分の目で品物を選んで買いたい。それが生きがいにつながっているんです。ある利用者様から、“野洲に住んでいてよかった”と言っていただいた時は、この仕組みを、しっかりと持続可能なものにしていかなくては、と思いました」(川口様)
この先は一緒に取り組む施設を増やし、住み慣れた地域でいつまでも元気に暮らし続けられる仕組みを作りたいと語った川口様。「らくぴた送迎」が支える移動支援は、この先の地域共生社会実現に欠かせないものとなりそうです。