「COPEN GR SPORT」のデザインを手がけるうえで心がけたポイントは?
本多: COPENに対しては、親しみやすさのある、ダイハツらしいスポーツカーというイメージを持っていました。「COPEN GR SPORT」のベースになったRobeも、スポーティでありながら親しみやすさがしっかり残されています。しかし今回「COPEN GR SPORT」のエクステリアデザインを担当することになって最初に思ったのは、もっと走りを強調したようなデザインにしようということでしたね。そして形状だけでなく考え方まで含めたTOYOTA GAZOO Racingのフィロソフィもしっかり勉強したうえで、それをベースにCOPENという素材の上でどう表現できるかを考えました。自分としてはノーマルのCOPENをもっとワイド&ローにしたいと思って、軽自動車の枠の中でどういうデザイン処理をすればそのように見えるかに苦心しましたね。具体的には、より水平基調の形状にしたり、フロントとリヤのランプをブラックアウト化して左右を黒くつないだりすることでワイドに見えるようにしています。またバンパーサイドもスタンダードでは角を丸めていますが、そこを鋭く張り出すようにしました。
小西: ワイド&ロー化は、車体の横に流れる風を整流する効果もあり、それが直進安定性につながっています。デザインがカッコよくなり、走りもよくなるように空力も本多さんと連携を取ることで、デザイン性と機能性を両立し、高め合いながらうまく造り込めましたね。
本多: 実は私、このクルマは造る前から欲しい、買おうと決めていたんです。それまで初代COPENに乗っていて、大好きだったのですが走行距離がもう18万kmに達していたので。だから自分が欲しくなるデザインにしようと(笑)。いいクルマにして、自分が最初のお客様になりたいという気持ちでデザインしました。ストレートにカッコよく、走りがいいと感じるところを伝えたい。その思いがブレることなく仕事ができました。