来場者を楽しませた車両展示とマルシェ

日本の女子サッカーにとって、2021年は特別な1年になりそうです。というのも、待ち望まれた日本初の女子プロサッカーリーグ、『WEリーグ(ウィーリーグ)』が9月に開幕するからです。

当初は11クラブでスタートし、その後、少しずつ参加クラブを増やしていく予定の『WEリーグ』。ちなみに、現在のなでしこリーグはアマチュアのトップリーグとして今後も存続していきますが、いずれにしても『WEリーグ』の発足によって、日本の女子サッカー界に新たな時代が訪れるのは間違いないでしょう。

そんな記念すべき1年の始まりを告げるビッグイベントが、1月10日に開催された『第29回全日本高等学校女子サッカー選手権大会』の決勝戦でした。

高校女子サッカーを応援する『ダイハツ』は、今年もこの大会をあらゆる面からサポート。決勝戦当日はさまざまなイベントや催し物を用意して、盛り上げに一役買いました。

午前中から行われたのが『ダイハツガールズサッカークリニック』。用意されたのは楽しい練習メニューばかりで、子どもたちの笑顔が弾けました。

まず、午前11時から会場となったノエビアスタジアム神戸に隣接する芝生公園で行われたのが、『ダイハツガールズサッカークリニック』です。今年で2回目の開催となる同クリニックには、未来の「なでしこ」を夢見る地域在住の未就学児~小学6年生までの女子50名が参加。ASハリマアルビオン(なでしこリーグ2部)の現役プレーヤー4人、そしてヴィッセル神戸のスクールコーチ、和多田充寿さんらの指導のもと、遊び感覚にあふれる練習メニューに取り組んだ子どもたちの元気いっぱいのプレー、そして寒さを吹き飛ばすようなとびっきりの笑顔がとても印象的でした。

およそ1時間半という限られた時間でしたが、多くのちびっ子たちが、今回のクリニックを通して、さらにサッカーを好きになってくれたに違いありません。

また、付き添いの保護者の方や、決勝戦の観戦に訪れた方たちを楽しませる催し物としては、『ダイハツ車の車両展示』と『ダイハツマルシェ』がありました。

メインスタンド入り口階段前には、ダイハツ車の『トール』、『タント』、『ハイゼットトラック』を展示。イメージキャラクターの『カクシカくん』も応援に駆け付けました。

メインスタンド入り口の階段前に並べられたダイハツ車の『トール』、『タント』、『ハイゼットトラック』の3台は、いずれも乗車体験が可能。もちろん新型コロナウイルスの感染対策を万全に整えたうえで、実際に多くのお客さまにハンドルを握っていただきました。

サッカークリニックの閉会式で、和多田コーチから保護者の皆さんに、「ぜひダイハツ車に乗って、ヴィッセル神戸やASハリマアルビオンの試合を見に来てください」とのリップサービスも頂戴しましたが、この機会を通してダイハツ車の魅力を少しでも知っていただけたのではないでしょうか。

展示された『ハイゼットトラック』の荷台には、野菜の入った箱が積み上げられていました。ここから『ダイハツマルシェ』へと誘導されます。

一方、スタジアム内のコンコースで開催されたのが、地元農家さんの野菜や果物、ジャムや焼き菓子などの地元土産を販売する『ダイハツマルシェ』です。趣向の異なる7つのブースの店先には、まさに神戸のおいしいものが大集合。なかでも農薬や化学肥料を使っていないニンジンや大根、特大のサツマイモ、大粒のイチゴなどが、来場者の人気を集めていました。

スタジアム内のコンコースで開催された『ダイハツマルシェ』。地元で採れた新鮮な野菜などが並んだ7つのブースに、多くの来場者が足を運んでくれました。
色鮮やかで大粒のイチゴも店頭に。『ダイハツマルシェ』には地元・神戸のおいしいものが大集合しました。

藤枝順心が大会無失点で連覇を達成!

こうしてスタジアム周辺が賑わうなか、いよいよ14時10分には、この日のメインイベントである『全日本高等学校女子サッカー選手権大会』の決勝戦がキックオフ。

準決勝で大商学園高校をPK戦の末に下した岡山県作陽高校と、帝京長岡高校に2-0で快勝した藤枝順心高校の一戦は、立ち上がりから両者一歩も譲らない白熱した展開になります。

力強いプレッシングで押し込もうとする前回王者の藤枝順心に対して、初優勝を狙う作陽は細かいパスワークで対抗。序盤にはCKから惜しいシーンも作りました。

0-0で折り返した後半に3点を挙げた藤枝順心。とりわけ、途中出場の高尾真莉奈選手が決めたこの3点目は、見事なゴールでした。

しかし、前半の25分過ぎから、徐々にフィジカルで勝る藤枝順心がペースを握ると、後半開始直後に試合が動きます。47分、ショートCKからのクロスボールを2年生のFW窓岩日菜選手がヘディングで合わせて藤枝順心が先制。その5分後にはFW斉藤花菜選手が追加点を奪い、さらに63分にも途中出場のFW高尾真莉奈選手が左サイドから美しい弾道のシュートを決めて、作陽を突き放します。

粘る岡山県作陽を振り切って、高校女子サッカーの頂点に立った藤枝順心の選手たちが、保護者やチームメイトの待つスタンドに駆け出します。みんな、良い表情をしています。

一矢報いたい作陽でしたが、85分にMF井手段祐有選手が放ったシュートもゴールポストに嫌われてしまいます。

結局、地力の差を見せつけた藤枝順心が3-0で勝利し、2年連続5回目の優勝。この決勝戦も含めた全5試合を無失点という“完全優勝”でした。

優勝トロフィーを受け取った藤枝順心のキャプテン、柳瀬楓菜選手は試合後にこう話しています。

「藤枝順心が成し遂げられていなかった連覇達成をすごくうれしく思います。完璧な優勝にしようと、大会無失点への意識もすごくありました。今年は新型コロナウイルスの影響でなかなか思うようにいかない時期もありましたが、しっかりチームとコミュニケーションを取ることを大切にして、試合中も学年に関係なく声を出すということを意識してやってきました。今日の試合でも声が出ていて、チームが一丸となっていると感じました。藤枝順心の伝統は進化することです。後輩たちにも、進化し続けるチームであってほしいと思います」

1,838人の観客が見守った決勝戦。感染防止のため、声を出しての応援は禁じられていましたが、しかしその分、「負けるな!」、「集中!」といった両チームの選手たちの大きな指示の声がスタンドまで響き渡っていました。藤枝順心と作陽だけではありません。コロナ禍で夏の大会が中止になり、練習もままならないなか、この冬の選手権を目指して努力を重ねてきた日本中の高校女子サッカー選手たちの想いが伝わってくるような、そんな熱い決勝戦でした。

将来、きっと今大会からも、新設された『WEリーグ』で活躍する選手が、さらにはなでしこジャパンの一員として、女子ワールドカップやオリンピックでヒロインになるような選手が現れることでしょう。

日本の女子サッカーのさらなる発展のために──。『ダイハツ』はこれからも高校女子サッカーを起点に、草の根的な幅広いサポートを展開していきます。