ダイハツ ミラ イース 試乗レビュー

※この記事は価格.comで2017年6月に掲載されたレビュー記事を転載しています。

2017年5月9日にフルモデルチェンジを果たした、ダイハツの新型「ミラ イース」。価格.comではその発売に合わせて速報記事を公開し、磨きのかかったコストパフォーマンスやデザイン、走行性能や安全性などをお伝えした。その続編となる本企画では、実際に乗って感じた満足度を詳細レポート。カタログだけではわからない、新型「ミラ イース」のリアルな出来栄えを確かめていく。

先代モデルから大きく変わった“走りの質”

「日常の足」として選ばれることが多い軽自動車にとって、燃費のよさは重要なファクターであるが、だからといって、1Lあたり1km、2km程度の差に執着する人がどれだけいるだろうか。これからの軽自動車が目指すべきは、低燃費性能ばかりにこだわるのではなく、燃費のよさと走りのよさを両立させること。スムーズに走行できればアクセルワークは自然と穏やかになるし、何より毎日のちょっとした移動も気持ちのよいドライブになる。そんな視点から、新型「ミラ イース」では走りの質が磨き上げられたという。

早速「ミラ イース」に乗り込んで、その走りをチェック、といきたいところだが、走行性能の進化を語るうえで欠かせない要素、「イーステクノロジー」についてあらかじめ確認しておきたい。「イーステクノロジー」とは、ダイハツが推し進める「低燃費」「低価格」「省資源」なクルマ作りを実現するための技術の総称で、エンジン、トランスミッション、ボディ構造などの技術を磨き上げることで、エネルギー効率の最大化を図ったもの。さらに、新型「ミラ イース」のボディには、軽量かつ高剛性な「Dモノコック」と呼ばれる骨格が採用されるほか、フロントフェンダーやバックドア、燃料タンクなどを樹脂製にすることで大幅な軽量化を実現。これにより、先代モデルと変わらない低燃費性能を実現しつつ、操縦安定性や乗り心地、静粛性などが大幅に高められているという。

こうしたポイントを念頭に置いて、今回の試乗車である最上位グレード「G“SA Ⅲ”」(2WD)に乗り込み、エンジンをオン。一般道へと走り出た。最初に「お!」と思ったのは、非力さを感じないことだ。軽くアクセルを踏むと、想像以上に太めの排気音とともにスムーズに加速していく。さらにアクセルを強く踏み込んでみたが、涼しい顔でグンとスピードを増していき、国道の流れを、ゆとりを持ってリードすることができた。先代モデルに乗ったことのある人なら、間違いなくこの変化に気付くはずだ。

また、道幅の狭い生活道路では、「ミラ イース」ならではのコンパクトボディが本領を発揮。細街路での右左折や、対向車とのすれ違いでも、思うように車体をコントロールでき、実に小気味よい

身長178cmの筆者が運転席に乗り込んでも、窮屈さを感じることはなかった。ジャストサイズのスポーツシューズを履いて走り出す時のような軽快さがあり、運転そのものを楽しむことができた

信号待ちからのスタートはなかなか力強く、スイスイと加速していく。こうした出足のよさや、ステアリングに応じた素早い反応は、軽量化のたまものだろう

3,395(全長)×1,475(全幅)×1,500(全高)mmのコンパクトボディだけあって、狭い生活道路も軽快に走り抜けていく。車幅間隔もつかみやすいので、運転に不慣れな人や、シニアドライバーでも肩の力を抜いて運転できるはずだ

続いて、一般道から高速道路に上がってみた。一般道ではキビキビと走れても、パワーが求められる高速道路では、さすがに非力さを感じるのでは? と思っていたが、結果から言うと、そんな心配は無用だった。本線への合流でアクセルを強く踏むと、思わず「おお!」と声が漏れてしまうほどの力強さでスムーズに加速してくれたのだ。

もちろん、直列3気筒660ccのエンジンで、最高出力は36kW(49PS)、最大トルクは57N・m(5.8kg・m)なので、パワフルとか、スポーティーとは形容しづらいが、ターボを搭載しない自然吸気エンジンの軽自動車で、これだけ快適に走れるのなら満足度はかなり高いと言っていいだろう。

高速道路への合流時も、アクセルの踏み込みに素早く反応し、スーッと加速。スムーズに流れに乗れた。また、室内の静粛性も高く、風切り音やロードノイズなどが気になることはほとんどなかった

試乗では、大人4名が乗車しての走行も行ってみたが、その走りは重さを感じることなくキビキビとした印象。ファミリー向けのメインカーとしても十分に活躍してくれそうだ

「スマアシⅢ」は乗る人すべてに安心感をもたらしてくれる

「ミラ イース」のような、コンパクトで取り回しのいい軽自動車は、シニアドライバーから選ばれるケースも多い。そこで注目したいのが安全性だ。本モデルには、全グレードに最新の衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」(以下、スマアシⅢ)搭載車が用意されており、ステアリングを握るシニアドライバーはもとより、シニアドライバーを親に持つ子どもにとっても大きな安心感をもたらしてくれる。

そもそも「スマアシⅢ」とは、フロントウインドウ上部のステレオカメラと車体後部のソナーセンサーによって、先行車や歩行者、障害物などを検知し、ドライバーに注意をうながすとともに、万一の場合は緊急ブレーキなどを作動させてくれるもの。「衝突警報機能/衝突回避支援ブレーキ機能」「車線逸脱警報機能」「誤発進抑制制御機能(前方・後方)」「先行車発進お知らせ機能」「オートハイビーム」の5つの機能がパッケージングされていることに加え、世界最小サイズのステレオカメラの採用により、コンパクトな「ミラ イース」でも広い前方視界を得られるのが特徴だ。

※2017年5月現在。ダイハツ工業(株)調べ。

「スマアシⅢ」のステレオカメラは世界最小サイズ。コンパクトな「ミラ イース」でも、運転中にその存在が気になったり、視界が妨げられたりといったことはなかった

シニアドライバーによる交通事故でよく耳にするのが、アクセルとブレーキの踏み間違い。「誤発進抑制制御機能」はこれを防止するためのもので、前進時だけでなく、後退時にも作動するのが「スマアシⅢ」の強みだ

さらに、「スマアシⅢ」搭載車には、クルマの四隅にコーナーセンサーが標準装備されるのもうれしいポイント。というのも、クルマの四隅にコーナーセンサーが標準装備されるのは、軽自動車で初めてのことなのだ。縦列駐車時や、駐車場内などの低速走行時、狭い道でのすれ違いの際などに四隅のコーナーセンサーが他車や障害物の接近を知らせてくれるため、「狭い場所での運転は苦手」という人でも安心してハンドルを握ることができる。これなら、離れて暮らす老齢の親にも、安心してすすめられるのではないだろうか。

※2017年5月現在。ダイハツ工業(株)調べ。

「スマアシⅢ」搭載車には、クルマの四隅にコーナーセンサーが装備される。あくまでもさりげなく、デザイン性を損なわないように配置されているのも好印象だ

クルマの四隅は死角になりやすい場所だが、他車や障害物に接近すると、ブザーとメーター内表示で知らせてくれる。おかげで、狭い駐車場での車庫入れも安心して行えた

デザインも使い勝手も満足度はかなり高め

今回のフルモデルチェンジで多くの人を驚かせたのが、先代モデルから大きく様変わりしたエクステリアデザインではないだろうか。先代モデルの印象が「やさしさ」だったとすれば、新型「ミラ イース」のそれは「精悍さ」。キリッと引き締まったフロントマスクや、エッジが強調されたボディの造形、リヤに施されたカーボン調のあしらいなどによって、精悍なたたずまいが表現されている。実用性が重視される軽自動車はデザインが二の次、三の次となりがちだが、新型「ミラ イース」はデザインだけでも選びたくなる、そんなスタイリッシュなルックスに仕上がっているのだ。

コンパクトなボディながら、凛々しさ漂うシャープなボディ造形によってサイズ以上の存在感を感じさせてくれる。性別や世代を問わず、幅広い層から支持されそうなエクステリアデザインだ

“吊り目”のアイラインがキリッとしたたたずまいを形成するとともに、リアコンビネーションランプからルーフスポイラーにかけてカーボン調のあしらいが施されるなど、後ろ姿にも精悍な雰囲気が漂っている

また、インテリアにはダイハツ車らしい気配りが随所に見られる。すっきりとした印象のインパネはシンプルな作りで、老若男女が操作しやすく運転に集中することができるはず。また、2段式センターフロアトレイやインパネロングアッパートレイなど、運転席から手の届く範囲に各種収納がレイアウトされているのも気が利いている。居住性については、コンパクトなボディながら想像以上に余裕がある、というのが率直な感想。リヤシートも広く、大人4人が乗ってもゆったりとくつろぐことができた。

インパネ周りはスッキリとしているうえ、ダッシュボード上面がフラットなので見通しがよい。ボタン類の大きさ、配置ひとつにも「使いやすさ」へのこだわりが感じられ、乗り慣れたクルマのように迷わず操作できた

デジタルメーター外周の照明で燃費状況を示してくれる「エコドライブアシスト照明」を装備。通常はブルー(①)で、燃費のいい運転をするとスカイブルー(②)、グリーン(③)へと色合いが変化する。普段からエコ運転を心がけるためのいいモチベーションになりそうだ

シートはゆったりとしており、座り心地は上々。安定感のある走りとの相乗効果で、長時間運転しても疲れは少なかった

感心したのがリヤシートの広さだ。運転席にスタッフが乗車した状態で、リヤシートに身長178cmの筆者が乗り込んでみたが、頭上にも足元にも十分なゆとりがある。ボディはコンパクトなのに、室内はゆったり。軽自動車としてはまさに理想的だ

運転席と助手席に備わったカップホルダー(左上写真)をはじめ、小物が置けるインパネロングアッパートレイ(右上写真)、ティッシュボックスを置くのにちょうどよく、さらにその下にも小物が置ける2段式のセンターフロアトレイ(左下写真)、買い物袋がかけられるショッピングフック(右下写真)など、室内にはダイハツ車らしい便利な装備がいっぱい。運転席から軽く腕を伸ばすだけで各収納に手が届くのも使い勝手がいい

軽自動車としては初となる「スイッチ式バックドアオープナー」を採用。リモコンキーを持っていれば、オープナー内にあるスイッチに触れるだけで解錠/施錠が行えるため、大きな荷物を持っている際などに、いちいちリモコンキーを取り出さずに済む

リヤシートは一体可倒式で、肩口にあるフックを引くだけで簡単に倒せる。大きな荷物や長尺の家具などを積み込む際などに頼もしい収容力だ

まとめ

今回の試乗と撮影に参加したのは、筆者を含む価格.comスタッフ4名と、カメラマン1名の計5名。その誰もが、新型「ミラ イース」の走りのよさや燃費のよさ、安全性の高さ、デザインや使い勝手のよさに納得させられる1日となった。さらに驚くべきは、これだけデキのいいクルマながら100万円前後で購入できてしまうコストパフォーマンスの高さ。このところ、高価格化が進む軽自動車市場にあって、この価格はかなりうれしい。読者のみなさんも、お近くの販売店へ足を運び、新型「ミラ イース」の完成度の高さをぜひ確認してみてほしい。

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