ガソリンエンジンとエンジンオイルの関係

ガソリンエンジンは、「燃焼室」という密室の中でガソリンに強制的に点火・爆発させ、その燃焼エネルギーを回転運動に変換させてタイヤを回し、クルマを走らせます。その過程でさらされる過酷な環境からエンジンを保護し、その働きを直接サポートするのがエンジンオイルの役割です。

エンジンオイルの主な役割

エンジンオイルには大きく2つの目的があり、そのために主に次の5つの役割を果たしています。
1. 燃焼エネルギーを回転運動に変換する際のエネルギーロスを防ぐため…
① 擦れ合う金属部品同士の滑りを良くし、エンジンの動きをスムーズにします。
② エンジン内部の隙間を埋めて、燃焼室を密閉します。

2. エンジンを長持ちさせるため…
③ 燃焼により高温となるエンジンの金属部品を熱から保護します。
④ ガソリンなどの燃焼によるエンジン内部の汚れを洗い流し、エンジンをキレイに保ちます。
⑤ エンジン内部の金属部品をサビから守ります。


エンジンオイルの選び方

●エンジンオイルのグレード:①

エンジンオイルのグレードを表す指標として、「API分類」が一般的に良く知られています。例えば、ガソリン車用エンジンオイルの場合、商品の缶に表示されている「SN」や「SM」などのSで始まるアルファベット二文字がこれにあたります。二文字目のアルファベットが「A」から「Z」に近づくほど一般的に高性能、つまりより高級グレードとなります。(「アミックス エクストラ」は「SN」グレードを超えるダイハツ車に最適な最高級エンジンオイルです。)

●エンジンオイルの粘度:②

《粘度記号とその見方》
API分類の後ろに続く「0W−20」や「5W−30」などの記号は、オイルの粘度(粘り気)を表しています。 オイルの粘度は温度に左右されるのが一般的で、高温下では粘度が低くサラサラしているオイルでも、低温になるにつれて粘り気を増す性質を持っています。Wの前の数字は低温時(冬の朝など)の粘度を表す指数であり、この数字が若いほど粘度が低く、逆にこの数字が大きいほど粘り気の強い性質を持っているということを表しています。 つまり先述の「5W−30」は、「0W−20」よりも粘度の高いオイルということになります。

〈粘度によるメリットとデメリット〉
オイルの粘度は、API分類と異なり、一概にその高低だけで性能の優劣を判断できるものではありません。低粘度オイルは、抵抗が少ないため燃費や低温時の始動性(エンジンのかかり易さ)に優れる反面、金属表面への油膜形成力が弱く、エンジン保護という面では不利です。一方、高粘度オイルほど強固な油膜を形成するため、より高いエンジン保護性能が期待できますが、抵抗が大きい分燃費面では不利です。つまり、オイルの粘度は、その車のエンジンの性格に最も適したものを選ぶ必要があります。

●正しいエンジンオイル選びのために

間違ったオイル選びは、クルマの性能を100%発揮できないばかりか、場合によっては故障の原因にもなりかねません。エンジンオイルは、クルマの「取扱説明書」などを参考に、API分類・粘度ともに、必ず自動車メーカーが指定するものを使用するように心掛けましょう。