「COPEN GR SPORT」というクルマの開発・発売に至った経緯は?
殿村: 2014年から発売された現行の2代目 COPENは、外装を着せ替え可能なDRESS-FORMATIONによって、“Robe”、“XPLAY”、“Cero”というバリエーションを展開し、さらに走りを強化したSグレードも加えました。アフターマーケットから自然発生したものも含め、モデルの広がりはある程度実現はできていましたが、発売から5年経ち、次の一手を打つ必要性を感じていました。初代COPENの時は、毎年何かしらの企画を打って、新しいエディションを販売していましたが、2代目ではそれがなかなかできなかったですしね。このような企画は市場のニーズがあってこそですが、実際に営業チームからお客様のご要望も届いていました。
相原: オーナーイベントに参加されたお客様のアンケートなどでは、COPENに対して「さらに走行性能に磨きをかけてほしい」というご要望をいただいていました。2代目のCOPENは走行性能が向上しましたが、楽しい走りを体感したお客様がさらに上質な走りを求めているのだと感じました。
殿村: COPENはスポーツカーとして開発したクルマですが、その一方で親しみやすいオープンカーでもあります。カスタマイズに親和性もありますし、見た目のモデルバリエーションを広げる方向でのご要望が多いのではと思っていたのですが、実際には操縦安定性やこれまでのCOPENにはないスポーツ性を突き詰めてほしいという声が多かったんですね。一方でトヨタさん側からも、TOYOTA GAZOO Racingのバリエーションをもっと充実させたいという思いがありました。そうしたお互いの課題がうまく合致したわけです。
相原: そこでメーカーの垣根を越えて、TOYOTA GAZOO Racingのモータースポーツで培ってきた知見の共有を通じて、アイデアを出し合いながらダイハツが商品化したクルマ、それが「COPEN GR SPORT」というクルマになります。