2013年12月17日、ダイハツ工業は、新型タント福祉車両の商品説明会と福祉車両の販売体制の発表会をベルサール飯田橋（東京都千代田区）で開催し、37社44名のメディア関係者にご来場いただきました。

最初に、営業本部堀井仁上級執行役員が、ダイハツ工業の福祉車両に対する基本コンセプトを語った後、特装車両の企画・開発・販促を担当する太田吉彦特装車両室長が、福祉車両の販売体制について説明しました。さらに、新型タントの開発責任者である片山英則エグゼクティブ・チーフエンジニアが、開発の想いを語り、実車を用いたデモンストレーションも実施しました。

冒頭の堀井上級執行役員の挨拶では、軽自動車のトップメーカーとして、「もっと軽にできること」「くらしの真ん中でクルマを考える」ことを企業姿勢としてきたダイハツは、福祉車両の黎明期から軽福祉車両の開発に取り組み、年々拡大する市場とともに大きく成長してきたと語りました。

また、福祉車両を標準車と同じ工場の同じラインで生産する「インライン生産」を実施することで、高品質・短納期・低価格を実現しているだけではなく、標準車と同じ車体色・バリエーションを持ち、販売会社での受発注方式も標準車と同じであることを説明。さらに、標準車のカタログにも福祉車両を掲載するなど、福祉車両を決して特別扱いしていないことを、特徴として紹介しました。

加えて、2013年11月に発表された「2013年日本カー・オブ・ザ・イヤー」において、ダイハツのムーヴフロントシートリフトが特別賞を受賞したことに触れ、「福祉車両の普及や進化のために、より一層のお客様への認知浸透、普及への責任を強く感じている」と語りました。

続いて登壇した太田特装車両室長は、冒頭に、福祉車両の販売体制を構築し、お客様にこの取り組みを積極的に発信していくにあたり、ダイハツの福祉車両のブランドネーム「フレンドシップ」のロゴを一新し、クルマとココロを一筆書きで結んだ、シンプルで判りやすいモノにリニューアルしたと発表しました。

また、「福祉車輌取扱士」※の資格を持つ「フレンドシップスタッフ」の育成をすでに始めていることを紹介し、車いす対応の駐車スペースや出入り口、多目的トイレなどを備え、フレンドシップスタッフが、実車を確認しながら積極的に福祉車両を提案できる店舗、「フレンドシップショップ」を2014年初頭から全国の販売会社で展開していくと発表しました。

その後、新型タントの福祉車両「タントスローパー」「タントウェルカムシート」のポイントについて、片山エグゼクティブ・チーフエンジニアが説明しました。

片山エグゼクティブ・チーフエンジニアは、今回のフルモデルチェンジの開発ポイントとして、「軽ならではの狭い場所での使い勝手」、「介助する側の操作性」、「介助される側の快適性・安全性」を向上したと説明。
また、日常使いから施設での送迎など、幅広いお客さまのニーズに対応するため、バリエーションを拡大したり、入り口価格を大幅に引き下げたことなどを、特徴として紹介しました。

説明会終了後には、会場に用意された実車を囲んで盛んに質疑応答が行われ、新型タントへの関心の高さがうかがえました。

※社団法人日本福祉車輌協会が認定する資格。福祉車両の取扱者としての心得や基礎知識、ユーザーニーズの掌握、税金の減免と優遇制度などの専門知識を有する